四十一番の少年 著:井上ひさし
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孤児院で生活を送る少年が主人公の短編小説。
作者自身も養護施設にいた経験があるためか、少年の感情がとてもリアルで切なくさせる。
そこにハラハラさせるエピソードが絡んでくると、心配で落ち着かなくなった。
1話目の“四十一番の少年”はちょっとショックな話だった。環境が彼をそうさせたのか、
両親に育てられてもそうなっていたのか。。。どちらも在り得る気がする。
“汚点”と“あくる朝の蝉”は、ジ~ンとなった。弟を守ろうとする兄。人の事情を逆恨
みせず優しさを忘れない心。辛抱というのは、人間が成長していくうえで大切なことなん
だと教訓にもなった。

「孤児院は、あそこに居るしかないと思えばちっともいやなところじゃない。
  でも、他に行くあてが少しでもあったら、一秒でも我慢できるような所でもない。」

という言葉は作者の本心なんだと思う。
経験者だから伝えられる気持ち。作家だからつづれる言葉。
以前読んだ“ブンとフン”とは全然違う深い本でした。
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by yoimachinokyaku | 2006-07-29 00:07 | 読書
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